百五十年の歴史
日立の海と歩み続けて百五十年以上。
創業からの歴史をご紹介します。
1869(明治2)年
創業
水戸藩の武士だった初代・森嶋道正により創業。
阿武隈山地南端の山々からの伏流水が流れ込み、稲作が盛んで米が豊富に手に入るという立地の良さから、茨城県日立市北部・川尻に蔵を構えました。
昭和初期
『快哉』『元旦正宗』
当初製造していた日本酒は『快哉』、のちに『元旦正宗』という縁起の良い名前で販売されていました。残念ながら、後の戦火による家屋焼失により詳しい記録は残っていません。
1945(昭和20)年
太平洋戦争により蔵を焼失
太平洋戦争の戦火に巻き込まれ、蔵・家屋ともに焼失。その後、耐火性に優れ、強固な大谷石を用いて蔵を再建し、ただちに酒づくりを再開しました。
1953(昭和28)年
『大観』誕生
終戦後、日立復興に力を注いだ四代目・浩一郎は、親交を深めていた日本画の巨匠・横山大観画伯の元を訪ねました。日本酒をこよなく愛し、北茨城の五浦に暮らしていた頃は、私たちの酒を愛飲していた画伯。親交があった二人の縁で『大観』の銘柄が誕生しました。
1959(昭和34)年
全国新酒鑑評会 【金賞】 初受賞
念願の受賞。その後も精進を重ね、大変ありがたいことに多くの場で評価をいただいています。
2002(平成14)年
地元農家と契約栽培開始
隣接する高萩市内の信頼できる専業農家に「美山錦」の栽培を依頼。つくり手の顔が見える安心・安全な酒づくりのための取り組みを現在も続けています。
2005(平成17)年
酒質向上のための設備導入を開始
将来を見据えた高品質な酒づくりのために、製造の全工程を見直し。冷蔵コンテナ1基からはじめ、計画的に設備の入れ替えを開始しました。
2006(平成18)年
南部杜氏資格取得
六代目・正一郎が、31歳で茨城県出身者として初となる南部杜氏試験に合格。つくりたい酒を己の手でつくるため、さらに実践を積み重ねます。
2011(平成23)年
東日本大震災による被災
地震により酒瓶が割れ、外壁が倒壊し、石壁に大きな亀裂が入るなど甚大な被害を受けましたが、五代目・鎮一郎の迅速な決断により早期修復が行われ、出荷を再開させました。
2015(平成27)年
蔵元が杜氏となり新ブランドを構想
杜氏の季節雇用制度を廃止し、蔵元杜氏と社員での酒づくりを開始。『大観』に次ぐ新たなブランドの構想を本格的に始めました。
2018(平成30)年
機内酒提供
『大観 純米大吟醸』が、日本航空(JAL)様の国内線ファーストクラスの機内酒(期間限定)に。機内酒提供は創業初です。
2019(令和元)年
創業150周年
『大観』の銘柄を『富士大観』に一新。横山大観画伯が富士山を題材とした作品を多く残していること、“日本一”という意味を持つ富士の縁起の良さから命名しました。
2019(令和元)年
『森嶋』誕生
蔵元杜氏が醸す新ブランド。自らの姓に、酒づくりにかける想いと覚悟を込めました。
2019(令和元)年
常陸杜氏資格取得(第1期)
茨城県の地元杜氏育成を目的とした、県内初の資格「常陸杜氏」認定制度がスタート。六代目・正一郎が、初年度の試験で合格を果たしました。